認定農業者になるための要件とは?「シェア農地」や「貸農園」の経営者は対象になる?
農地を活用したビジネスが増える中、「シェア農地」や「貸農園」を手がける不動産業者からも、「自分たちは認定農業者になれるのか?」という相談を受けることがあります。
結論から言えば、農地を貸して収益を上げているだけでは「認定農業者」にはなれません。
今回は、実際にあったご相談事例をもとに、認定農業者の制度の基本と、不動産事業との線引きについて解説します。
✅ 認定農業者とは?まずは制度の基本から
認定農業者とは、市町村に「農業経営改善計画(5年後の目標)」を提出し、審査・認定された農業者のことです。
認定されると、次のような支援が受けられます。
支援内容 | 例 |
---|---|
融資制度 | スーパーL資金などの低利融資 |
補助制度 | 農業機械導入や施設整備の補助金 |
税制優遇 | 特定農業用資産の課税特例など |
ただし、認定されるためには明確な「農業経営の実態」が必要であり、「農地を持っている」「管理している」だけでは認定されません。
✅ 認定農業者になるための主な要件
区分 | 内容 |
---|---|
経営主体 | 個人または法人で、自ら農業に従事していること |
経営計画 | 所得・労働時間・面積・生産性などを改善する計画を策定 |
実態 | 実際に作付・収穫・販売など農業生産活動を行っていること |
継続性 | 今後も農業経営を続ける見込みがあること |
❌ 実際にあった事例:「不動産屋がシェア農地で収益を上げている」
先日、次のような相談を受けました。
「農地を借りて、区画ごとに一般の方へ貸し出し、シェア農園として収益を得ています。
管理もしていますし、農地も活用しているのだから、認定農業者になれますか?」
この事業形態は、いわゆる「貸農園」や「体験農園」と呼ばれるもので、確かに農地に関わってはいます。しかし…
✅ 自ら耕作・栽培・出荷などの農業行為を行っていない
✅ 収益の中心は“農地賃貸収入”や“管理料”
つまり、これは不動産管理業であって農業ではありません。
🚫 認定農業者として認められない理由
- 農業経営の定義は、「農地を利用して作物を生産し、販売などで収益を得ること」
- 第三者に区画貸しをしているだけでは、「農業経営」とは見なされない
- 実際に作物の生産・収穫・販売を法人自身が行っていない限り、申請は不適格
✅ 認定農業者を目指すなら「自ら作る」ことが必要
もし認定農業者を目指すのであれば、次のようなスタイルに変更する必要があります。
- シェア農園の一部または別区画を活用して法人自身が農作物を生産・販売
- 作業体制や計画書を整備して、農業経営改善計画として提出
- 数字の根拠(面積・収量・単価・所得見込みなど)を明記
📝 行政書士ができること
認定農業者の申請は、ただ書類を揃えるだけでは通りません。
農業実態があることを証明し、5年間の計画として見せることが求められます。
行政書士は、
- 作付計画の整理
- 原価や収益のシミュレーション
- 就農体制の整備
- 経営改善計画の作成
など、実現可能な申請書の作成支援を行います。
🔚 まとめ
農地を管理していても、「認定農業者」になれるとは限りません。
「自ら農業を営む」ことが前提であり、貸農園ビジネスとは明確に区別されています。
制度の誤解が多いこの分野だからこそ、専門家のサポートが重要です。
「認定を目指したいが、事業内容が適合するかわからない」
「計画をどう作ればいいかわからない」
という方は、ぜひ行政書士にご相談ください。
ぜひ、JR学研都市線沿線 松井山手駅より10分の阿保行政書士事務所へご相談ください。
当事務所はコストコ京都八幡倉庫店のすぐ裏です。
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