相続で農地を引き継いだら?売却・転用・貸すときの3つの選択肢
相続で農地を引き継いだら?売却・転用・貸すときの3つの選択肢
最初に決めるべきは「どう使うか」です。農地のまま売るのか、宅地などへ転用するのか、耕作前提で貸すのか──判断軸を実務目線で整理します。
まず結論から
「売る・転用する・貸す」は、利用実態と継続性で判断が分かれます。一般に、農地のまま売る/貸すときは農地としての利用を続ける前提での手続、宅地や駐車場などに変えるときは転用関係の手続になります。どれを選ぶかで必要書類・期間・リスクが変わるため、現況と予定の使い方を初期に固めることが重要です。
自治体ごとに運用が少し違います。現況写真2枚と地図URLを共有いただければ、一次診断をお返しします。
役所はここを見ています
判断の中心は、実態・継続性・設備の恒久性・周辺影響・安全です。看板や区画・常設の車止めなどがあれば「継続的な別用途」と見られやすく、農地性の説明が難しくなります。
一方で、耕作実態が明確で、土地改変が軽微で可逆的なら、農地としての性質を維持していると整理しやすいです。計画段階のうちに写真や位置関係を整理すると、後戻りを防ぎやすくなります。
ケースごとの目安(実務感覚)
| 状況 | どう見られやすいか | 要否の目安 |
|---|---|---|
| 農地のまま所有権を移転して売る(買い手は耕作継続の意思) | 農地利用の継続が前提であると評価されます | 農地としての取扱いが基本です。事前相談が安全です |
| 宅地・駐車場・資材置場などへ変えてから売る/変える前提で売る | 継続的な別用途の計画と見られます | 転用関係の手続になりやすいと考えてください |
| 自分名義のまま駐車場にする(看板・区画・常設車止めあり) | 農地性が弱く、別用途の運営実態が明確です | 転用の検討が必要です |
| 農地のまま貸す(相手が常時耕作) | 耕作継続の実態が前提になります | 貸し手・借り手の体制確認が鍵です。条件により許可が必要です |
| 趣味的な家庭菜園向けに区画ロープや番号札を常設 | 営利性・継続性があると評価されやすいです | 用途の説明が必要です。計画段階で相談すると安心です |
| 長期放置で雑草繁茂、周辺へ影響 | 管理不全として指導対象になりうる状況です | 早めに方針(売る・貸す・保全)を決めるのが無難です |
スムーズに進めるコツ
判断材料を先にそろえると、選択肢が固まりやすいです。具体的には、地番・地目、前面道路幅員、交通量、交差点までの距離、排水方向、周辺土地利用、時間帯の状況、隣接地の工作物、現況写真(遠景・近景)を整理してください。計画に合わせて必要な図面(配置・進入路・排水)を用意すると、説明の一貫性が保てます。
よくある質問
Q. 固定資産税の「地目」が宅地なら、転用の説明は不要ですか?
A. 税務上の地目と、実際の利用実態は別の観点です。利用内容の説明が重要になります。
Q. 売却・転用・賃貸のどれを選んでも、期間は同じですか?
A. 同じではありません。計画内容や現況により必要期間は変わります。写真と地図URLで一次診断をお返しします。
Q. 認定農業者でないと貸せませんか?
A. 借り手の体制や耕作の実態を確認します。条件を満たせば検討可能です。
Q. 区画ロープと看板を常設した家庭菜園はどう評価されますか?
A. 継続性と営利性があると評価されやすく、用途の説明が必要です。事前相談が安心です。
写真と地図URLだけでOK。一次診断をお返しします
迷っている段階でも問題ありません。現況と希望を伺い、売却・転用・賃貸のうち最も現実的な道筋をご提案します。
阿保行政書士事務所


