「とりあえず契約書つくって」と言われたら危険!農地・調整区域・未登記建物の売買で契約書に入れておくべき特約とは

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不動産取引の現場では、「とりあえず契約書をつくっておいて」と依頼される場面がよくあります。しかし、農地や調整区域、未登記建物などの特殊な物件を扱う場合、この「とりあえず」が大きなトラブルを引き起こす原因になりかねません。

本記事では、そうした物件に関わる契約書で必ず入れておくべき「特約」条項や、行政書士が契約書作成支援で果たせる役割について、実務の視点から詳しく解説します。


◆ 特殊物件には「条件付きの売買契約」が必須

農地や市街化調整区域にある土地、未登記建物などを売買する際は、通常の宅地とは異なる法的制限があります。こうした物件の契約書では、以下のような許認可や整備義務の“完了”を条件とした特約条項を入れることが基本です。

【例:必須の特約条項】

状況必要な特約の一例
農地を宅地として売買農地法第5条許可が取得できることを条件とする
市街化調整区域都市計画法上の開発許可取得を停止条件とする
未登記建物所有者確認および滅失登記完了を条件とする
越境がある物件隣地所有者との境界同意を取得するまで履行猶予とする

▼ 用語解説

  • 滅失登記:建物が取り壊された場合に、その建物の登記を法務局で抹消する手続き。これを怠ると売買時に所有者確認や権利関係が不明確になる。
  • 開発許可:都市計画区域内で一定規模以上の造成や建築を行う際に必要となる行政の許可。特に市街化調整区域ではハードルが高い。
  • 停止条件:契約は締結するが、特定の条件が満たされるまでは効力が発生しないという契約条項。許可取得まで契約の履行を保留できる。

このような特約を入れることで、「買主が許可を取れなかった」「用途変更できない」などのトラブルを未然に防げます。


◆ トラブル事例:特約なしの契約でどうなった?

実際に、不動産会社が「とりあえず契約」で進めた結果、以下のような事態に発展するケースがあります。

【事例1】農地を住宅用地として契約 → 転用許可が下りず白紙解約に

  • 買主は住宅を建てるつもりだったが、農地法第5条の許可が得られず建築不可
  • 契約書に特約がなかったため、手付金返還や違約金で揉める

【事例2】市街化調整区域内の土地を売買 → 開発許可NGで再販不能

  • 都市計画法上の立地基準に合わず、開発許可が出ない
  • 買主から「契約不履行」として訴訟されかけた

いずれも、事前に行政手続きの要否を精査し、契約書に反映しておけば回避できた問題です。


◆ 行政書士はここまでできる!契約実務の“安全装置”

行政書士は、許認可手続きだけでなく、契約書作成に関しても法的観点から支援することが可能です。

【行政書士の具体的な役割】

  • 売買対象物件の法的制限(用途地域・地目・建築規制等)の調査
  • 必要な許認可や事前協議の洗い出し
  • 契約条項への条件・解除権・期限の明文化
  • 買主・売主への法的リスク説明

不動産会社が独自にテンプレートを使って契約書を作成すると、こうしたリスクを見落としがちです。

行政書士の関与によって、「契約してはいけないタイミングでは契約しない」「不測の事態に備えた条項を入れる」といった判断が可能になります。


◆ 売買契約書に入れておくべきその他の特約

特殊物件に関しては、許認可だけでなく、登記・境界・インフラ等の条件についても明記しておくのが望ましいです。

【補足:よく使われる特約集】

  • 土地の境界確認が完了しない場合は決済を延期できる条項
  • 越境物の撤去が完了しない場合の履行猶予条項
  • 上水・下水・ガスの引き込み工事の負担者明記
  • 「現況有姿」売買であっても後日の責任範囲を限定する条項

これらの条項は、トラブル時の責任追及を明確にし、売主・買主の双方にとって安全な契約を実現するためのものです。


◆ まとめ:契約前に専門家と連携を!

農地や調整区域、未登記建物といった“法的な注意点が多い物件”の売買において、「とりあえず契約書をつくる」は非常に危険です。

不動産会社の現場対応力も重要ですが、行政書士と連携して契約前からリスクを洗い出し、的確な特約を盛り込むことが結果的にトラブルの予防・信頼の獲得につながります。

専門性が求められる場面こそ、行政手続きのプロである行政書士にご相談ください。

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