登録支援機関とは?選び方と委託契約チェック【特定技能・介護 企業向け】
登録支援機関は、特定技能で採用した外国人の生活・定着サポート(義務の10項目)を、会社に代わって実施して記録する外部の専門業者です。委託は可能ですが、最終責任は受入企業にあります。まずは「何をやるのか」をかんたんに整理します。
3行で結論
① 登録支援機関=支援10項目を実施・記録する外部プロ
② 安さだけで選ばず、“実施の質”と“記録の取り方”を重視
③ 契約で「やる内容・頻度・証拠の渡し方」を明記(丸投げNG)
全体像や社内体制づくりは、先にこちらもどうぞ → 特定技能(介護)の受入体制と支援計画
1. 支援の「10項目」って何?(要点だけ)
- ①事前ガイダンス(労働条件・生活情報の説明)
- ②入国・空港送迎、③住居の確保
- ④生活オリエンテーション(ゴミ・医療・交通 等)
- ⑤公的手続同行(住民登録・年金・健保・銀行・携帯)
- ⑥日本語学習の機会、⑦相談・苦情対応(母語/英語)
- ⑧定期面談・巡回、⑨地域交流の促進
- ⑩転職・帰国支援(届出・手配)
大事なのは、やるだけでなく「記録を残す」こと。会社でもコピーを保管しましょう。
2. どんなときに外部委託が向いてる?
- 採用人数が増え、社内だけでは10項目を回し切れない
- 夜勤やシフトで面談・同行の時間が確保しにくい
- 母語対応や多言語の資料が必要
- 監査や指導が入っても証拠(記録・写真・ログ)をきっちり出せる体制にしたい
社内で実施する場合は、こちらのテンプレも活用できます → 受入体制と支援計画(テンプレ付き)
3. 登録支援機関の「選び方」5ポイント
- 実施体制:担当者の人数・言語、夜間/休日対応、同行の頻度
- 記録の質:チェックリスト、面談記録、写真、実施ログのフォーマット
- 介護分野の経験:OJTの理解、夜勤導入の段階設計、ヒヤリハットの扱い
- 費用の内訳:月額・同行回数・オンコール・緊急対応の加算条件
- 連携のしやすさ:人事・現場との情報共有、月次レポート、改善提案
見積は「価格×頻度×記録の質」で比べるのがコツです(価格だけ比較は危険)。
4. 委託契約のチェックリスト(コピペOK)
| 項目 | 合意すべき内容(例) |
|---|---|
| 支援の範囲 | 10項目のうち実施対象と除外を明記(実施/補助/対象外) |
| 頻度・方法 | 面談(月1回)・巡回(四半期1回)・同行(入社時/更新時)など回数と条件 |
| 記録・証拠 | チェック表/面談記録/写真/ログの形式・提出期限(会社にも毎月データ納品) |
| 費用・加算 | 月額、入社月の初期対応、夜間・緊急・多言語対応の加算基準 |
| 連絡体制 | 担当窓口、レスポンスSLA(例:24h以内)、緊急連絡先 |
| 秘密情報 | 個人情報・医療情報・勤怠等の取り扱い、再委託の可否 |
| 監査・是正 | 役所対応・改善報告の期限、契約解除(未実施・虚偽記録)の条項 |
契約は「実施」+「記録」+「納品」が回る設計にしましょう。
5. 毎月の運用テンプレ(コピーして使える)
- ①面談記録(氏名/日付/テーマ/課題/対応/次回)
- ②同行記録(手続名/場所/所要/結果/次のタスク)
- ③生活オリエンテーション実施表(チェック項目に✔)
- ④日本語学習ログ(受講時間/教材/到達度)
- ⑤月次レポート(定着KPI:出勤/欠勤/離職兆候/相談件数)
テンプレは当事務所で提供可。お問い合わせください。
6. よくあるNG(監査で指摘されやすい)
- 未実施・未記録(やったのに証拠がない)
- 賃金台帳と契約書の不一致
- 母語相談窓口が実質機能していない
- 離職時の届出や転職支援の遅延
まずは「毎月のテンプレ+写真」で証跡を残すことから。
7. 費用の目安(参考)
- 委託の月額:1名あたり 22,000円/月〜(人数により応相談)
- 初期対応(入社月の同行/手続):別途加算のことが多い
詳細は 報酬表 をご確認ください。
8. 関連リンク(社内導線)
ここから一緒に段取りしましょう。


